友情結婚のルールと課題について

婚活一般

 どうも。元婚活冒険家で社会福祉士のジローです。

 セクシャルマイノリティの方が、ようやく自らの声を少しずつ挙げはじめた昨今。
 友情結婚もそのニーズが高まりつつあります。

 実はわたしの友人のK君も昨年友情結婚をしました。

 友人夫婦を見ていて思ったのは、友情結婚は通常の結婚よりも事前のルール作りが大切であるということです。

 中にはルールの明確化が出来ていなかったために、仲違いして別れてしまった事例も多くあるようです。

 そこで今回は友情結婚に当たってのルールと課題について考えてみたいと思います。

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友情結婚の認知度

【友情結婚】という言葉。
 世間ではおそらく知らない人のほうが圧倒的に多いと思います。
 実はわたしも友人が友情結婚するまで知りませんでした。

 試しにわたしの周囲にいる20名にアンケートを取ったところ、
「友情結婚について知っている」
 と答えた人はその友情結婚したK君1人だけでした。

 中には以下のような声もありました。

「えっ?友達同士で結婚するの?それって同性婚だよね?」
「男女の友情なんてないっしょ。だから結婚なんて無理じゃね?」

 などなど。

 ↑の声はどちらも見当違いですが、「ゆーじょーけっこん」という響きからして勘違いするのも仕方ありません。

 いずれにしろ、まだまだ認知度の低い言葉と言えます。

友情結婚とはそもそも何なのか?

 友情結婚。
 それは、ざっくり言うと【性愛に捉われない男女の結婚】です。

 性愛には捉われませんが、日本では現在同性婚が認められていませんので、あくまで男女の結婚である点は一般的な結婚と同じです。

 友情結婚を希望する方はおおよそ以下のいずれかです。

  • LGBTにより異性と性愛を介した結婚が出来ない
  • そもそも他者に恋愛感情や性的感情が湧かない
  • その他何らかの事情により性愛を介した結婚をしたくない

 ちなみにわたしの友人のK君はゲイの方です。

友情結婚の代表的なニーズ

 また、友情結婚を希望する方の代表的なニーズを挙げてみます。

  • 子どもを持ちたい
  • 性愛以外の心の繋がりを持ちたい
  • 世間体を良くしたい
  • 親を安心させたい
  • 経済的合理性
  • 一人でいる不安を払拭したい

 これを見るとわかりますが、一般的な結婚と友情結婚のニーズの違いは、
性愛を介するか否かだけである」
 と理解できます。

一般的な結婚から性愛を除くとどうなるのか?

 一般的な結婚と友情結婚の違いは性愛のあるなしのみであると先述しました。

 ただ、この「性愛」を介在させないことで、実は結婚の在り方は大きく変わってくるのです。

 というのも、男女の結びつきというのは多くの場合、愛だの恋だのと言った感情の結びつきが主となります。
 感情はもちろん目に見えないものです。
 結婚とはある意味、この目に見えない不確かなものを形にするための行為です。

 しかし、友情結婚にはそもそもそうした男女の感情の結びつきがありません。
 では友情結婚の意義はなにかと言うと、先に述べたニーズを満たすための契約行為なのです。

 わかりやすく言うと、友情結婚は結婚に対する目的がはっきりしています。
「〇〇のために結婚する」といった形です。

「なんとなく一緒に居たいから」で友情結婚を選択する人はまずいません。

 実際わたしの友人のK君も「子どもを持ちたい」という強い思いで友情結婚を選択しています。

友情結婚は事前のルール作りが大切

 目的がはっきりしているからこそ友情結婚は事前のルール作りが大切です。

 何故なら「一般的な結婚」と異なり性愛がない分、様々なことを 
「まぁ仕方ないよね」
 となぁなぁに出来ないからです。

 友情結婚にあたって事前に必ず話し合うべきルールをいくつか紹介します。

お金のこと

 一般的な結婚生活と同じで友情結婚においてもお金の話は重要です。
 以下に話し合うべき項目を挙げます。

  • これまでどういったものにお金を使ってきたのか。こらからどんなものにお金を使っていきたいのか。
  • 貯金はどらくらいあるのか。
  • 借金は無いのか。
  • 夫婦で財布を分けるのかどうか。
  • 生活費の支出はどちらがどれくらいするのか。

 お金の使い方はその人の価値観を如実に表します。
 しっかり話し合ってお互い納得できるルールにしましょう。

子どものこと

 友情結婚では一般的な結婚と同様に子どもに関する話は極めて重要です。
 加えて友情結婚は基本的に夫婦間のセックスがないため、どうやって妊娠するのかも含めたルール作りが不可欠です。

 以下に話し合うべき項目を挙げます。

  • そもそも子どもはほしいのか。
  • ほしいとしたら何歳までに何人欲しいのか。
  • 妊活は自然に任せるのか。人工授精をするのか。
  • 人工受精にどれくらいの時間とお金をかけるのか。
  • どういった場合に子どもを諦めるのか。
  • 出産、育児となった時に夫がどれくらいサポートするのか(経済的な部分含めて)
  • 子どもができたとして自分達のことをどのように伝えるのか。

 性愛で繋がっていないパートナーであるからこそ、話し合うべき項目は沢山ありますね。

生活全般のこと

 友情結婚はどうしても情緒的な繋がりが希薄になります。
 そのため、ともすれば一緒に住んでいても単なるルームメイトのように別々の生活になってしまう事も珍しくありません。
 そうなると大切なことを話し合う時間がなくなり、結果気持ちまですれ違ってしまったりします。

 ですので以下の項目について事前に話し合い、ルールを決めておく必要があります。

  •  お互いの生活リズム
  •  家事分担
  •  休日の過ごし方
  •  夫婦で共有する時間

 また、生活全般について予めしっかりルール作りをしておかないと、

「話し合いたいのに相手が何をしてるかわからない」
「夜中に物音が聞こえてうるさい」
「自分だけがいつも家事をしている」

 などの不満が噴出する恐れがあります。

周囲に告知するかどうか

  •  友情結婚である事を周囲に伝えるのか
  •  伝えるとしたらどこまで周知するのか

 これについても事前に決めておく必要があります。
 特に「お互いの両親や家族にどう伝えるのか」は重要な部分です。

 ちなみに友人のK君は、夫婦共にどちらの家族に対しても友情結婚であることを伝えていないそうです。
 K君いわく、
「説明が面倒だし、そもそも理解される気がしない。それに告知してしまったら結婚した意味がなくなりそうだから」
 だそうです。

 たしかに理解できない人にわざわざ説明するメリットもないかもしれません。

それぞれのパートナーについて

 友情結婚は夫婦と言えども、それぞれに性愛で繋がった別のパートナーがいることも珍しくありません。
 わたしの友人Kも、男性のパートナーがべつにいます。
 相手女性にも女性のパートナーがいるそうです。

 べつにパートナーがいる場合、それぞれのパートナーとの関係性についてもお互い事前に知っておいたほうが良いでしょう。

  • どれくらいの頻度で会うのか
  • 自宅には招くのか
  • 外泊や旅行はするのか
  • 自分達のことをどういう風に説明するのか
  • そもそもお互いにパートナーを持つ事を容認するのか

 お互いが自分の気持ちを犠牲にしてしまわないよう、しっかりと話し合っておきましょう。

ルールは書面で保存しておくとよい

 近年、一般的な結婚でも婚前契約書を作成する夫婦が増えてきました。

 ただ、性愛で繋がっているカップルだと、お互い相手に遠慮して
「事細かにルールを取り決めるのはちょっと。。。」
 と腰が引けてしまうケースが殆どです。

 その点、友情結婚は恋愛感情がない分、最初からシビアにルールを取り決める事ができます。

 話し合って取り決めたルールについてはお互い忘れないように書面化しておく事をオススメします。

 書式はなんでも構いませんが、ルールを項目ごとに書いた上でそれぞれの署名をしておくと良いでしょう。
 また、ルールに法的根拠が欲しければ弁護士などに相談するのも一つです。

 もちろん事前のルールや契約書があっても、一般的な結婚と同様に、おかしな点があればお互い話し合って改善していくことが不可欠となります。
 また、お互いに忘れることがないように定期的に見返すことも必要になります。

 ちなみに友人のKは、署名したルールのコピーを冷蔵庫に貼っています。
 そうすると嫌でも毎日目に入れるので忘れないそうです。

友情結婚の課題

子どものこと

 友情結婚特有の課題と言えば、やはり1番は子どもの事でしょう。

 友情結婚であっても「子どもを持ちたい」という夫婦は多いです。
 そうなると妊活や育児方法も含めて、一般的な結婚と異なる様々な課題が生まれてきます。

 そこで意見の相違が生まれると、一瞬にして結婚生活は崩壊しかねません。
 そのためやはり、婚前からじっくり2人で話し合うことが必須です。

 ちなみに友人のKは、子どもに対する様々な部分でお相手と意見を何度も交わし合い、合意したうえで結婚したそうです。

相手をリスペクトできるか

 また、友情結婚であっても一般的な結婚であっても、離婚理由の第一位は「性格の不一致」です。

「性格の不一致」というとザックリしてますが、要は相手のことを何らかの理由で「嫌い!無理っ」となってしまう事です。

 嫌われるにはもちろん理由があります。
 結婚生活で嫌われるのはやはり相手に対して不誠実な対応を続けた場合でしょう。

 先にも述べましたが友情結婚は一般的な結婚に比べてコミュニケーションが希薄になりがちです。
 性愛を介さない分、より相手に敬意を持って接する姿勢が必要となります。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。
 今回は友情結婚のルールと課題について考えてみました。

 わたしの友人Kは、明確なルール設計を行った結果、結婚生活はとても順調だそうです。
 もちろん、時々相手と意見が食い違うこともあるし、実情に合わせて時々ルールは修正しているそうです。


 今後は価値観の多様化やマイノリティの選択肢の増加に伴い、ますます友情結婚のニーズは高まってくるかと思います。

 友情結婚を志す方はぜひ、ルールをしっかり作って幸せな結婚を実現して頂きたいと思います。 

 また、一般的な結婚、友情結婚いずれにしても大切なのは相手への誠実さです。
 ルールはルールでもちろん守る必要がありますが、そもそも一対一の人間同士です。
 お互い敬意を忘れないようにしましょう。

 皆様の婚活に幸運が有りますように。

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